l
□渚が丘高校生徒会執行部
1ページ/2ページ
時刻は午後4時すぎ──。
校庭では、サッカー部や陸上、その他の部活が青春を謳歌していた。
耳に届く軽快な音は音楽室から聞こえる吹奏楽部の合奏。
それをBGMに俺は部活動の練習を
旧校舎の3階から眺める。
今日も、私立渚が丘高校は平和だ──。
俺がそうしみじみと思ったのもつかの間──。
<バンッ!!>
ドアがイカレるんじゃないかってくらい、勢いよく部屋の引き戸が開いた。
「こーら!綾木(アヤキ)!アンタ、窓の外ばっか眺めてないで、手伝いなさいよっ!」
入ってきたのは小柄なツインテールの女の子。
その両手には大量の書類の山。
両手がふさがっているところをみると、
多分彼女は足で引き戸を開けたのだろう。
(足癖が悪い……)
ドンッとすさまじい音がして、机の上に書類が置かれる。
「これ、今日中に30部ずつまとめといてよっ!」
……マジすか。
前言撤回。
今日の俺は、平和に過ごせそうにない……。