キリリク小説

□さくらのころ
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さくらのころ



「あごんくんが弟で」


「うんすいくんがおにぃちゃんなんだ〜」


「あ、うん。そう」


「おにぃちゃんかぁ。いいなぁ。」



今日、家の隣に引っ越してきた家族。

学校から帰ってきたら知らない人達が玄関の前に居た。
お母さんと何か話しが弾んでるようで雲水は丁寧に頭を下げて挨拶をした。
阿含はといえば一緒に帰ってはきたのだけれど、挨拶は簡単。


だから、その分雲水が頭を下げて挨拶をする。


「双子のお子さんですか?うちも二人居るんですけどね」


と、知らない人は言った。

それで現れたのは二人の兄妹。

女の子は小学1年生だと言っていたから、雲水達より遥かに小さい。


「上の子は五年生で…」


「あら、それならうちの子達と同じですね」


そんな親同士の会話が聞こえてきた。


同じ年頃の男の子。

その子が「いいな」と言った。

雲水は何がいいのだろうと思う。


「僕はお兄ちゃんでも阿含とは同じ歳だから、いいとかよく解らないけど…」


「んとね、僕はお兄ちゃんだから、妹の面倒みなきゃいけないし、ママもあーしなさい、こーしなさいって、凄く言うんだ。」


「…そうなんだ。」



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