キリリク小説

□Eye
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Eye




夜。
いつもより遅く帰宅した。
自分に似合わない付き合いに阿含はウンザリした表情のまま、それでも急いで帰宅した。


雲水が待っているだろうから。


大学に入り二人で住み始めたマンション。
外から部屋は見える一室。
遠くから見えるはずの部屋の明かりを見上げれば消えていたから、アレ?と首を傾げる。

まだそんなに遅い時間ではないはずだから阿含は苦笑した。

エレベーターで階まで上がり玄関のの扉の鍵を開けて中にどたばたと入っる。


「ただいまー、雲水?いるのか?」

「あ、阿含か。お帰り。遅かったな」

「あ゛ー…まぁなー」

奥の部屋から聞こえた兄の声に居たし、まだ起きてもいたから安心するが、顔を見せないままで尚且つ部屋の明かりが点けられないから阿含は苦笑するままに廊下をスリッパの音を立てながらリビングへと入る。

入ると同時、テレビの明かりが目に映った。



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