ゆめ


□Andante
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今日はバラエティ番組の収録があったので、某テレビ局に来ていた。収録も無事終え、今日のスケジュールは全てこなしたので帰宅しようとテレビ局の狭い廊下を歩く。
すると廊下の反対側から現れたのは早乙女学園時代からの友人である翔くんだった。在学中は同じクラスで割と仲良しだったのだけど、デビューしてからは会う機会も少し減ってしまったので偶然会えたことに嬉しくなる。

「あれっ、なまえじゃん!」
「わあ、翔くん!久しぶりー!、っ……。」
「久しぶりだな、みょうじ。」
「聖川くんっ、久しぶりだね。」

翔くんと一緒に居たのは、翔くんとユニットを組んでいる聖川くんだった。彼もまた、同じ学園で同期な訳だけど、会うのは卒業以来な気がする。在学中ほとんど話す機会もなく、時々翔くんと一緒に居るのを見かけたくらいだ。そもそも私は、よく分からないけど彼に苦手意識を持っている。だから久々の翔くんとお話したいの半分、早くこの場から離れたい気持ちが半分という気分になった。

「翔くんたちの活躍見てるよ!凄いね。」
「へへ、だろだろー?あ、でもなまえもこの間出た写真集、すっげえ売れて増版だろ?」
「えっ!もしかして中身見た!?」
「当たり前だろー!ってか、買ったに決まってんじゃん。」
「ええええ!何それ超恥ずかしい……!」

ただでさえちょっと恥ずかしい、なんて思ってた写真集なのに知り合いに見られるとかかなり恥ずかしい。買って貰えたことは凄く嬉しいんだけど……。

「来栖、あまり時間がない。」
「あ、ほんとだ。あっ!なあなまえ、今から飯食いに行くんだけどお前も来いよ!」
「えっ、急に?……私がお邪魔してもいいの?」
「いんじゃね?来るの、ST☆RISHのメンバーだけだし。なあ聖川?」
「む?俺は構わない。」
「じゃあ、行こうかな……。」
「よーし!久々にゆっくり喋ろうぜ!」

急だけど久々に翔くんたちと話せるのは嬉しいかも、と意気揚々と歩き出した翔くんの後をついて歩いた。
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