歌の世界

□戯言
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戯言メッセージ

四畳間に差し込む光
一人佇む青年
この世から消えた彼のため
小さく息を吐く

「もしも、生まれ変われたとしたら、俺なんかに会うなよ」と
言い残した言葉の裏に
隠された想いを汲んで

流れてゆくゆるやかな時
記憶の中で笑う君
追憶の彼方にぼんやり霞んでく

僕らはいつも合わせ鏡
ずっと繋がっていたのに
君がいなくなるなんて
思いもしなかった

ぼくを庇って死んだきみ
もういないけれど
ぼくの瞳は乾いたまま
涙も流せない

流れてゆく唯の日常
違和感と少しの後悔【リグレット】
君の気配を感じることは
あの日からもうない



「ハッ、戯言だな。」

「零崎!」

「じゃあな、欠陥製品。」

「なんで、どうして君が―――」
       ―盾に――――


冷たくなる君の体
頬を伝っていた君の涙
隠しきれなかった思いを
ぼくはせめて受け取ろう

流れてゆく塩辛い滴
気付かないふりしてぬぐう
「もしも生まれ変われたならば――――」


―――お前に会うのだけはごめんだよな。
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