記憶を継ぐ者

□命の代価
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「兄さんは左足を失ったままの重傷で…今度はボクの魂をその右腕と引き替えに錬成してこの鎧に定着させたんだ」



ズキ



アルの話を聞いているとなぜか左足が痛んだ

そして、さっきから鼓動が速くて落ち着かない



「へっ…二人がかりで一人の人間を甦らせようとしてこのザマだ…ロゼ、人を甦らせるってことはこういうことだ」



エドさんはしっかりとロゼさんを真剣な目で



「その覚悟があるのか?あんたには!」



びくっとロゼさんは震え



「ウィル。おまえも覚えてろ」



後ろのボクは見ずに言ってきた



「くくく…エドワード・エルリック!!貴様それで国家錬金術師とは!!これが笑わずにいられるか!?」


「うっせーんだよ。石が無きゃ何にもできねぇどサンピンが!」


「なるほど、なるほどそれで賢者の石を欲するか。そうだなあ、これを使えば人体錬成も成功するかもなぁ」



エドさんはまた、人体錬成するために探していたのかと不安になったけど



「カン違いすんなよハゲ!石が欲しいのは元の身体に戻るためだ」



ホッとした



「もっとも、元に戻れるかもだけどな…!」


「教主さんもう一度言う。痛い目見ないうちに石をボク達に渡してほしい」


「くく…神に近づきすぎ地に堕とされたおろか者どもめ…ならばこの私が今度こそしっかりと…」



ズラアアアアァ



おじさんは杖に錬成してマシンガンにかえた



「神の元へ送りとどけてやろう!!」



ガシャっとマシンガンを構えた

あれ?
もしかして撃っちゃう?

ボク関係ないよ!



―ドガガガガ―


死ぬ!と思って目をつぶるとグイッと手を引かれた



「はははははははは」



―ガガガガガガガガガガ―



「は…!?」



弾が全く当たらない?



「いや、オレって神様に嫌われてるだろうからさ」



そっと目を開くと、目の前には石の壁があった



「行っても追い返されると思うぜ!」



土煙があがっている



「ち!!」



よく見るとアルがいないと思ったらロゼさんのところにいた



「!?」


「この…」



え?

ちょっと待て!
あんた信者に向かって銃を向けやがったな!



「きゃ――――っ!!!」


―ガギギギギギン―


「あだだだだだ」



撃ちやがった!

幸いアルが盾になって弾は当たらないけどさ!



「アル!ウィル!いったん出るぞ!」


「バカめ!!出口はこっちで操作せねば開かぬようになっつおる!!」


「ああそうかい!」



あの…エドさん?
そっちは普通の壁だよ?


ーパン―

バシィ


壁に手をついて

壁に扉が出来た!?



「んなあ――――っっ!!??」


「出口が無けりゃ作るまでよ!!」



無茶苦茶だあ!!

ボクは目の前で起こることに混乱しながら二人の後を追った





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