記憶を継ぐ者

□命の代価
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アルはロゼさんと外に出ている

ボクはアルの邪魔になるからってエドさんと部屋で待機



「いいか。あいつが来たら押せよ」


『わかりました』



机にエドさんは座りボクは裏で顔だけ出して来るのを待つ


バン!


姿が見えた瞬間頭を引っ込めて押した



「小僧ォォ――もう逃がさんぞ〜〜〜〜〜」



息上がってるなおっさん



「もうあきらめたら?あんたの嘘もどうせすぐ街中に広まるぜ?」


「ぬかせ!教会内は私の直属の部下だしバカ信者どもの情報操作などわけもないわ!」



この人こそバカだとボクは思った



「やれやれ、あんたを信じてる人達もかわいそうな事だ」


「信者どもなぞ戦のための駒だ!ただの駒に同情など不要!!それになあ、神のためだと信じ幸福のうちに死ねるなら奴らも本望だろうよ!
錬金術と奇跡の業の区別もつかん信者を量産して駒はいくらでも補給可能!これしきの事で我が野望を阻止できるとでも思ったか!!」



うわはははと笑うおっさん



「くっ…ぶははははは!!」



顔を上げるとエドさんは頭をべしべしと叩いていた



「!?何がおかしい!!」


「だぁ――――からあんたは三流だっつーんだよこのハゲ!」



笑いながらエドさんが左手をボクに出してきたので持っていたものをエドさんの手に乗せた



「小僧!!まだ言うか!!」


「これなーんだ♪」



さっきまでボクが持っていたものを見せた

ボクが持っていたのはスイッチ

おっさんの足元にはマイク
スイッチはもちろん


ON


つまり



「まっ…」



気がついたかな?




〔まさか…貴様あ――――ッ!!!〕



ラジオ放送生中継してます!



〔いつからだ!!そのスイッチいつから……〕


〔最初からvもー全部だだもれv〕


〔なっなっなっ…なんて事を〜〜〜〜〜っっ〕



もういいと思って顔を出すとすごく怒っているおっさん



「…このガキ…ぶち殺」



おっさんの杖がまたマシンガンに錬成される前に



「遅ェよ!!」



エドさんは右腕を刃物に錬成していた


―バキン―


ガランとマシンガンは切られて先が転がった



「言っただろ?格が違うってよ」



エドさんの方が何倍も速くて強い



「私は…私はあきらめんぞ………この石があるかぎり何度でも奇跡の業で…」



またも錬成しようとする



「ちっ…」


―ばちいっ―


おっさんはただ錬成しようとしただけなのに

銃と指、腕が変形した



「…っぎゃあああああ」


『痛ッ!』



おっさんの変形した腕を見て突然頭が割れるように痛くなり周りの声が聞こえない



「ただのリバウンドだろうが!!」



リバウンド…?

どこかで聞いたことある









【くっそぉお!!!リバウンドだぁ!】









青年の叫び声と一瞬何かが見えた

暗い部屋

地面に描かれた錬成陣

ひしゃげた足



『なに…これ』



あまりの痛さにボクは意識を手放した




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