記憶を継ぐ者

□命の代価
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「…なるほど、そうか貴様…なぜ、こんなガキが“鋼”なんぞという厳い称号を掲げているのか不思議でならなかったが…そういう訳か…」



なんだか勝手にこのおじさん理解してるけど



「ロゼ。この者達はな、錬金術師の間では暗黙のうちに禁じられている「人体錬成」を…最大の禁忌を犯しおったのよ!!」


「…!!」



【「太陽に近付きすぎた英雄は翼をもがれて地に堕とされる」…ってな】




〜アル回想〜



「アル!アル!アルフォンス!」


「どうしたのさ兄さん」


「これだ!この理論なら完璧だよ!」


「これってまさか…」


「そうだ!母さんを生き返らせる事ができる!」



生命を作り出す事に
なんの疑いも無かった

やさしい…
本当にやさしい母さんだった

ボク達はただもう一度
母さんの笑顔がみたかっただけだったんだ

たとえそれが
錬金術の禁忌にふれていても

それだけのためにボク達は錬金術を鍛えてきたんだから…






錬成は失敗だった




錬成の過程で
兄さんは左足を

ボクは
身体を全部持って行かれた

ボクの意識はそこで一度途切れ…

次に目を開けた時に見たものはこの鎧の身体と血の海の中の―



「へへ…ごめんな。右手一本じゃおまえの魂しか錬成できなかったよ」


「なんて無茶を…!!」



〜回想終了〜



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