銀魂 長編

□第二冊目 銀時くんのヅラ観察日記。
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  猛暑




あ、暑い・・・・・。

なんじゃこら。
ありえねーだろぉ・・・

今何度だぁ?げっ、35度ぉ!?
これは「夏だから」なんて通用する暑さじゃねーぞ。
地球温暖化だ・・。
クッソ、天人が。
これを機会に桂ファンクラブ攘夷志士になろうか。
イヤイヤ、それは冗談でも言ってはいけねーことだな。
でも・・桂ファンクラブヅラとは一緒にいてーなぁ・・。


「ヅラァ、それ暑くないアルか」

「ヅラじゃない桂だ。それとはなんだ」

「ヅラ。取れヨ暑苦しいから」

「それはすまないと思うが、ヅラじゃなくて地毛だこれは」


うん、確かに暑そう。
っていうか、暑苦しい。
ポニテでもしねーかなぁ・・・。
どわっ、そんなんやべーって。


「仕様が無い、括るか」

(へっ?)

「リーダー、ゴムはあるか」

「ん、これヨ」

「すまない」


ゴムって言葉に反応してしまった俺は変態・・・。
迂闊だった。

「これで少しはマシだろう」

「しょうがないネ、それで勘弁してやるヨ。
つーかヅラ、オメーポニテ似合いすぎネ。
めっちゃかわいいアルよ」

ポニテ、キタ-------(゜▽゜)--------!!


ド、ドツボついてきやがる・・・。
暑さもふっとぶぜぇ・・・

「ヅラァ、あそこに変態が転がってるネ。
暑苦しい天パそり落とすヨ」

鼻血まみれの銀時を指差す神楽。
その隣で桂は冷ややかな目線を送る。

「そうだな。【キラーン】」

「やめてッ!確かにコンプレックスだけど!
銀さんのチャームポイントでもあるからッ!それである程度キャラ成立してるからッ!
それでシルエットでもわかるようになってるんだからァッ!」


「じゃ、陰毛なら問題ないアルね」

「そうだな【キララーン】」

「確かに問題はねェけどさ・・・人のやって良いことじゃねェだろォが」

「近藤にはやってたじゃねーかヨ」

「アレはゴリラだから。銀さんとは別物だから・・・。」


桂が腕を組みなおした。
大きなため息を吐く。

「貴様といったら猛暑日だからといってだらけおって。
そんなんだったら攘夷志士にでもなればいいのよ、んもう」

「母さんはいいよ、ここ俺の部屋だから。
これでも俺、発情期思春期だから。出てけよ!」

ヅラのボケにのってヘタな息子役をやる。
しかし今はツッコミ(新八)がいないので無意味なことなのだが。


「何?銀時、本気で言っておるのか・・・!」

「へ?」


右足で後ずさりして手は浮いている。
本気でショックを受けている。


「貴様がそう言うのであれば、俺はお暇するとしよう・・・。」

「イヤイヤイヤ、違うって!今のは、その場のノリというか」・

「何?ノってくれたのか」

「ん、まぁ・・・」


これが世で言う「銀デレ」?
なんかすげー恥ずかしいんですけど。
いや、これデレてるわけじゃないんだからね。うん。
そこんところよろしく。


「しかし銀時。」

「あ?」

「貴様演技へっただなー。
ノる前に学べ。
そんなものでは高杉の歌にもノれないぞ」

「ウゼェェェェェ!!調子にノんなァァァ」


銀さんはこうでなければ。
ヅラも、うざくなければ。



付き合ってからキャラを失っていた二人が
自分を取りもどしたようです。



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