桂総受け@

□Sだろーが電波だろーが仲がよければそれでいい
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「桂ァ」

「・・・沖田か」

新撰組、沖田総悟。
攘夷志士、桂小太郎。

会話をする事すら許されない筈の2人は
契約を結んだ。




1ヶ月前。

「桂ァァァアっ
今日はにがさねぇよォ」
沖田は巡回中に桂を見つけ、
いつものようにバズーカを向けていた。

しかし、違った。

逃げの小太郎と呼ばれる桂が逃げなかった。
それで沖田のドSが入るはずもなく。

「なんでィ、逃げないんすかァ」
バズーカを向けるのを止め、桂に話しかける。
「だって・・なんか天気わるいじゃん」


「頭、打ったのかィ?」
人差し指で自分の金髪を軽く叩く。
(というか、なんだこの砕けた口調・・)

「昔のことを思い出しただけだ。
こんな天気には剣を交じらせるのも悪くないかと思ってな・・。」
口調が元に戻る。

でも、沖田は口調なんかより表情に意識を奪われた。


キレイ。


沖田の鼓動が早まる。
自分でも聞こえる、命の音。

(なんでィ、これは。)
意味がわからない。
相手は攘夷志士で、さらには男。
こんなにドキドキする理由はどこにもない。
はずなのに。


「取引、しようぜィ」
体が勝手に動く。
「・・・取引?」
桂が少し俯きがちだった顔を上げる。
「俺と付き合うんでィ」

「・・・何を言っている、貴様は。
俺は男だぞ。更には貴様らの敵、攘夷し・・」


それ以上は、言わせない。


自分の口で桂の口を塞ぐ。

「ぅ・・・ぐ!?!?」

桂はひどく動揺して、
酸素を確保しようと必死にもがく。


「付き合ってくだせェと言ってるんですよォ」
「何故俺なんかと・・・っ」
桂は咳き込んでいる。

「どうですかィ?俺はアンタを捕まえない。
そのかわり俺と付き合ってくだせェ。」

その言葉に桂が反応する。
桂にとって沖田は攘夷活動を行ううえでかなり警戒すべき相手。
沖田と付き合うだけで、その手間も省ける。

ギブ&テイク思想。
利用され、利用する。

この機会をのがせば・・・。


「・・・よろしく。」



そして、今に至る。

「大丈夫でィ、新撰組も最近は過激派攘夷軍団を追ってるんで。
土方さんも近藤さんも、今は野暮用でいない。」
「・・そうか。なら安心だ。」

沖田はあれから桂に本格的に惚れてしまったのだった。

「バイトに行くことが出来る。」

そっちーーーーーー!?!?

沖田が心の中で全力で突っ込んだ。
コイツ普段から何してるんだ・・。
一ヶ月たったとはいえ、コイツのことがぜんぜんわからない。
わかった事といえば、超電波って事だ。

「行かせネェよ」
沖田が桂の背後から抱きつく。
「俺をこんなに惚れさせておいて、行っちゃうんですかィ?
彼氏を、泣かせる気ですかィ?」
「何・・?」
そうだ。食いつけ。
困れ。困れ。困りまくれ。

「沖田が彼氏だったら・・俺はなんだ?
彼女か?・・いや、俺は男。
なんなら彼男にしてしまおうか。」

彼男!?
なんか新しい単語生み出した・・・。
ていうか、いまさらすぎるだろ。
もう男同士でキスまでしてるんだ。
男だから付き合えないという発想は、いい加減捨てろよ。

沖田は頭を抱え込む。
沖田がこんなに苦しむことなんて、めったにない。
最近では、土方を殺し損ねた事くらいだ。

「のう、沖田。」

同意を求められても・・・。



沖田の苦闘はまだまだ続きそうだ。










続く・・・のか?

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