桂総受け@

□凍えるような真冬に露天風呂に入ると訳のわからない優越感を感じる
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今は1月下旬、真冬。

そんな寒い季節に、万事屋には珍しくお客が来ていた。


「えーっと、お名前は?」

お客は中年の男性。
いかにもお金を持っていそうな感じだった。

銀時たちは報酬を期待する。
3人はソファに正座していた。

「はい、私は温泉を経営しています、勝海将と申します。」
勝が懐から名詞を3枚出し、
銀時たちに渡す。

「『薩長温泉』!?あの大きくて有名な・・」
「マジアルか!!」
「おい、静かにしろ!!二人とも!!」
いつもより少し高くて大きな声。
興奮しているのだろう。
「銀さん、アンタが一番うるさい。」

「で、勝さん。依頼というのは?」

「実は、店員たちの中でインフルエンザが流行ってしまいまして。
人手不足なんです、力を貸してもらえませんかねぇ?」

お願いします、と大きく頭を下げる。


「何人ほど、必要なんですか?」
「5人くらいですかね。
報酬ならいくらでも払いますんで!!」

「わかりました。引き受けましょう!」
「本当ですか!ありがとうございます」

その後、依頼のことを色々聞いて、
勝は帰っていった。


「久しぶりの大仕事ですね、銀さん!
えっと、明日からですね。
報酬は大量、仕事は午前中だけで、午後は遊び放題の4泊5日。」
新八が依頼内容をメモった紙をめくる。
「あぁ、最近ただ働き多かったからなぁ。
家賃も払えそうだ」
銀時は上機嫌。
「銀さん、あと二人はどうするんですか」
「あ」
「忘れてたんかいィィィィ!!!」
新八の鋭いツッコミ。

「いやいや、ちゃんと考えてあるよ〜?
お前の姉貴とか、どうせ暇だろ?」
「暇じゃないわァァァ!!
姉上はキャバクラの仕事があるんです!
銀さんと一緒にしないでください!」
「うわ、ちょっと銀さん傷つくよ?」
小指で鼻をほじくる。
「ぜんぜん傷ついてないくせに・・」

「じゃー、さっちゃんとかで良くない?」
「あの人呼んだらロクなことになりませんよ。ダメです」


「ヅラで良くないアルか?」
二人が振り向くと、酢昆布を齧っている神楽がいた。
「そうですよ!桂さんでいいじゃないですか!」
「でもな〜、アイツ攘夷だ、なんだと言ってこれないだろーよ・・」
ふー、と大きくため息をつく。

俺だって死ぬほど行きたいよ、ヅラと温泉。
でもアイツは俺のこと毛ほども思ってないだろうし、攘夷活動を優先させるんだろう。
それは、なかなか傷つく。

所詮、俺の片思いだもんなぁ・・。


「でも、誘うだけ、誘ってみません?
ダメなら他の人を探せばいいし。」
「ヅラは風俗のバイトしてるから金はほしいはずアル!
行ってみるネ」
二人は桂を誘う気満々。

銀時は「行けたら、すっげーおいしいよなぁ・・」なんて思いながら、
桂を探しに町へと向かうことにした。
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