銀魂 長編

□第一冊目 銀時くんのヅラ観察日記。
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  告白

  




「好きだ、ヅラが。」


勢いで言ってしまった。言ってしまった。
寺子屋にいたときからずっと想い続けていた。
その想いが、爆発した。


此処は万事屋。
今は俺とヅラしかいない。

ヅラが未だに俺を攘夷に勧誘してくる。
それで、ムカっときて・・・。
『ワタシと仕事どっちが大事なのよー!』的なアレだ。

言っちゃったんだ、好きだって。


「・・・。」

あれからどれくらいの時間が経過したことか。
ヅラは真顔でこっちガン見してくるし。
長くて辛い沈黙。

「あのさ、ヅラ・・・」
「・・・ヅラじゃない、桂だ。」

本当、それ第一だよね。
俺の告白の返事するより、そっち?


「・・・銀時」
「ハイッ!?」

緊張して、声が裏返る。
こんなに背筋伸ばしたことないってくらい伸ばした。

「・・・もう一回言ってくれまいか?
よく聞こえんかった。」

・・・。
・・・ハイ?

じゃ、今までの沈黙・・・何事ですか?
あ〜、でも・・・カワイイなァ・・。

「俺は、ヅラが好きだ!!!!」

言った。大声張り上げて言った。
誰も聞いちゃいない。
あんなに小さい声で言う必要なんて無かったのにな、俺。
怖気づいちまって。

「・・・あのさぁ」
「なんだッッ!?」

俺ってば、力みすぎ。緊張しすぎ。
乙女だったんだな〜俺。

「長髪だからってナメてたら痛い目見るぞ?」

・・・。
・・・ハイ?

「ヅ、ラ?えーと、どういう・・・」
「だから。女みたいな長髪でもアソコは男だぞって・・・」
「・・・いいの?」
「何が。っていうか・・・銀時、鼻血・・・。」
「別にいい!鼻血なんかッ!
俺がヅラのアソコ見ていいってこととして受け取っていいんですか!?」
「いや・・・よくないから。拭け。」

とりあえずヅラに従う。
え?え?これって・・・
期待しちゃっていいんじゃないの!?

「・・・好きなんだけど」
「あぁ」
「いいですか?」
「・・・あぁ」
「・・・・付き合って?」
「・・・・あぁ」

「俺のこと好きですか」
「・・・好きだ」

どれだけの間、この言葉を聞きたかったか・・。
涙腺やばいッ!涙腺やられたッ!
うれし泣き・・・。


「抱きしめていいですか」
「もちろんだ。・・・ていうか、何故泣いている?」

「うれし泣きですよコノヤロー・・」
「そうか」

銀時は桂を思い切り抱きしめる。
力いっぱい。

「お前・・もう俺んもんだからな・・」
「・・・もちろんだ」
「銀さん縛るからね。恋人、縛るタイプだから。」
「是非」
「なんだよ、是非って。でもうれしー。
ヅラカワイイー。」
「ヅラじゃない桂だ。」
「ヅラァー」
「ヅラじゃない、桂だ。」
「そのさ、桂のとこ。」
「?」


「坂田にかえね?」
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