頂き物・捧げ物

□デートの雰囲気で運命が変わる
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「俺だ」

「僕です」

「俺でさァ」

「…俺だ」

「俺だァ…」

「あっはっはっはー」





なんだか不思議なメンバーが集まって、自分を主張している。

上から、銀時・新八・沖田・土方・高杉・坂本。
万事屋(男子)、攘夷組(桂抜き)、真選組(ゴリラ抜き)メンバーである。
実に奇妙というか。


こうなったのは約1時間前。

このメンバーに我らがアイドル(笑)、桂もいたのだ。
そして、彼はこう言った。

『今日は江戸で1000発の花火大会があるそうではないか。
行ってみたいものだな…』


そして奴らは思った。

『俺が(僕が・わしが)連れて行ってやる!!!』と。

というわけで、桂の左、争奪戦が始まったのだった。

桂はなにやら用があると行ってしまった。
ならば、花火大会は一緒に行ってやる!




「いやいやいや、お前らここは主人公に譲るべきだろ。主人公だよ?
常にかっこよく、優位に立つべき存在なんだよ?」
銀時票、俺。

「何言ってんですかィ。俺なんか人気投票2位なのに土方コンチクショーより
出番少ねェんですよ?そんくらい譲ってくだせェ。」
沖田票、俺。

「なんで俺の所為なんだよ。だったら桂から一番雑に扱われてる俺に譲れ」
土方票、俺。

「だはは、雑ーッ!?雑なんですかィ、土方さん?痛い、痛いよこの人!」
「っぷっぷー、誰か絆創膏持って来て!人一人包めるくらいデカいやつ!
そんなヤツが行ったところでどうにもならねェんだよ、この敗残兵が!」
「だれが敗残兵だ、このドSコンビ!!」
沖田、銀時票、土方は行ってもムダ。

「クク、とんだ茶番だねェ…もう俺ァ行くって決めてんだ。
蛆虫どもが争ったところでムダなんだよ…」
高杉票、蛆虫は行かず、俺が行く。

「も〜やめてくださいよ、みっともない。
ここはいつも雑用&ツッコミ頑張ってる僕に譲ってくださいよ」
新八票、僕。

「メガネの分際でヅラとデートだァ?
調子乗ってんじゃねーぞコノヤロー」

「メガネって何ですか!新八です!」

なんだか収集がつかなくなってきた。
全員自分が行くことしか頭に無い。
坂本はずっと笑ったままだ。
さすが頭カラの男。平和主義者代表。


「このままじゃ決まらねェな…」
土方は大きくため息をついて、タバコをとりだす。

「どうしますかィ?なんなら俺が、土方さんを中心に皆殺しに…」

「なんで俺中心だ!オメーが言うと本気でやりそうでコエーんだよ!」

「オメーなんかには俺ァやられねェ!試してみるか?」
銀時はにやりと笑う。
それに沖田は食いついた。
「望むところでさァ」

銀時はおなじみの木刀、沖田はイヤホンがついている刀を構える。

「わーッ!こんなところでやめてください!
花火大会に命賭けないでください、1位と2位が!」
新八が慌てて止めに入る。
彼がいなければこのメンバーに平和は訪れない。


「おんしら、ヅラがそんなことして決まった奴と花火大会に行くとでも思っておるんか?
そりゃあ勘違いじゃ。頭を冷やしたらええ。」

なんか良いこと言ってるっぽい坂本。

「まァな…モジャ、たまには良いこと言うじゃねェか。」

「あっはっはっはー。因みにわしは高杉が良いこと言ってるとこ視たことないんじゃがなー。」

「やめてッ!そんな嫁と姑みたいな陰険バトル!」

新八はもはやみんなのブレーキ係でしかない。



「オイどうすんだ!このままじゃ花火大会始まる時間になっちまうぞ!」

「じゃあここは一つ、穏やかに。」

「「穏やかに?」」
銀時と土方の声が重なる。

「人生すごろくでィ。」
どこからか取り出したすごろくを見せた。

「…。」

「おい総悟、そのすごろくとやらが終わるのはどんくらいだ?」

「長くて5時間でさァ。」

「どんだけ壮絶なバトル繰り広げるつもりですか…」

「まァいいじゃねェか…。このままじゃ決まらねェ訳だろ…?」

「そうじゃ、さっさと済ませるべきじゃけん」

「仕方ねェな、。」


というわけで、桂の左、争奪戦は人生すごろくに決定した。


「よっしゃー、また6じゃー」

「おいバカ!オメ、何勝手に上がろうとしてんだ!バカのくせに!」

「運が無くては社長なんぞやってられんよ、あっはっはー」

「なんてヤローだ。」

現在トップは断トツで坂本。
なんせ5回連続6を出したのだ、それに追いつけるような奴はいない。

「坂本ォ…オメーが勝ったらエリザベス斬るぞ…?」
高杉がとんでもないことを言い出した。
しかし坂本は動じない。
「そんなことする前におんしが斬られるじゃろ。
ヅラを悲しませる気か、高杉?」
バカと天才は別物だという。それは彼のためにあるような言葉だ。

「待ってる間、暇でさァ。
なんでもっと早く周ってくるやつにしなかったんですかィ、土方コノヤロー」

「何でまた俺の所為だァァ!オメーが考えたんだろうがッ!」

「いやだなァ。これだから大人は嫌いでさァ。」
その言葉に銀時は眼を輝かせる。
「それじゃあ沖田君、ヅラも嫌いってことになっちゃうよ〜?」
意地の悪い笑みをみせる。
「『キャプテンカツーラだァ!』とか『フルーツポンチ侍Gでぇ〜す』とか
言うやつが大人ですかィ?俺があの人を好きな理由は子供でかわいいとこでさァ」

「お、俺だってな、桂の純粋なとこが…」

「オメーは黙ってろ、マヨラーが。
俺はな、おめーらの何十倍も桂の傍にいるんだぜ?」

「何十倍って、銀さん、アンタ何歳ですか…」

「それは俺だって同じだぜ?銀時ィ…」

「でもオメー、『嫌い』って言われてんじゃねーか」

【ぐさっ】

「はっはっはー、ささっとるささっとるー。」



「貴様らは一体、何をしている」

「あっ、ヅラァ!」「桂ァ!」「桂…」「桂さん!」「ヅラァ…」「あっはっは、ヅラじゃけー」

「ヅラじゃない、桂だ。いちいち一人ずつ呼ばなくていい」

「この際、桂に決めてもらいやしょう」

「それがいいな、オイヅラ!」

「ヅラじゃない、桂だ。」


「こんなかで、誰と花火大会行きてェ??」

「は?」

桂はぽかん。
口を閉めるのを忘れている。

「だから、この中だったら今日の花火大会、誰と行きたいんだよ」
土方が半分諦めながら桂に尋ねる。

「なんだ、そういうことか」
桂は予想外にも優しく笑った。
坂本以外は少し赤面する。
ヤツにデリカシーが無いということを改めて実感できる瞬間だ。



「俺は全員でやろうと思ったのだが」



「「「「「「え?」」」」」」
6人の声が見事に重なった。

桂は持っていた紙袋からあるものを取り出した。

花火だ。

「大きな花火をただ見えているだけではつまらないだろう?
だから、大きな花火を見ながら小さな花火をだな…」

桂は訳のわからない身振り手振りをしている。
6人にはその行動が可愛くにしか見えない。

「さすがヅラじゃけん、うまく纏めるのー」
「ヅラァ…俺ァそんなトコがすk」
「ヅラ、俺はねずみ花火がしてェ!」
「へェ、でかいの買ったんだな。全員のことを考えて…ってか」
「桂はそういうやつでさァ。
だから、モテてしまうんですねィ…厄介なもんだ」
「桂さん、流石です!」

「男だけでは寂しかろう?リーダーたちも…」

「イヤイヤイヤ、男だけってのも悪くないよ?ヅラ君。」
「そうでさァ。友達といるのが一番楽しいって言うだろィ?」
「言うか?」



その夜、大きな花火の下に小さな7つの花が咲いた。



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なんか長くなっちゃった…すみません;

如月様限定でお持ち帰りおkです。
こんな駄文ですみません。
リク通りになっているでしょか?

お粗末様ですた(逃)

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