青の祓魔師

□守るって約束
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「皆さん、少しは反省しましたか」

塾の教室で出雲と勝呂が喧嘩したらしく、連帯責任というヤツで現在、囀石の刑

囀石を正座した上にのせるというヤツだ

この囀石は持つと段々重くなる悪魔だ

もう足は痺れ、感覚が麻痺し始めている

雪男は時間を気にするように自分の腕時計に目を向けた

三時間ほど、任務ではずすというのだ

「僕が戻るまで三時間、皆で仲良く頭を冷やしてください」

雪男はそう言うと、部屋から出ていった

雪男がいなくなるとまた勝呂と出雲が言い争いを始めた

ララは囀石の頭を撫でて気を紛らわした

しばらくすると突然、部屋の電気が消えた

「あだっちょ…どこ…」

「ぎゃああ」

何だッ!?

口々に叫ぶ皆

ララは吸血鬼ということもあり、暗闇にはすぐ慣れた

「あははっ」

状況が把握できないでいながら、皆のあわてぶりに思わず笑ってしまっていた

パッと手元だけ照らされる光が廉造を中心についた

どうやら携帯の画面の光らしい

廉造が携帯を出したことにより混乱していた皆は落ち着きを取り戻し、携帯をつけた

停電…!?

「いや窓の外は明かりがついてる」

ふと視線を窓にやると、確かに外から光が差し込んできている

「廊下出てみよ」

そう言って立ち上がったのは廉造だった

「あ、私も行こうか?」

ララは廉造の後に続くように立ち上がった

暗闇でもハッキリ見えているし、設備専用室の場所も知っていたからなのだが…

何を勘違いしたのか廉造は目を輝かせた

「ララちゃん、俺と一緒にいたい…」

「ありえないから」

ララはきっぱりと答えた

廉造はそれには構わず廊下への扉までさしかかった

「何があってもララちゃんは守るからなぁー安心しぃ」

廉造はニコニコ笑いながらドアノブに手をかけた

ギィイと不気味な音を立てて、扉を開く

するとその隙間から何かもっと不気味なモノがこちらを覗いていた

「……」

廉造はいつもの表情のまま扉をバタンと閉めた

「…なんやろ目ェ悪なったかな…」

しばらくの沈黙の後、扉がバギャと派手な音を立てて崩壊した

うぉおお!?

廉造は驚いて、一目散に皆の下へと走っていった

そしてあろうことかララを置いてけぼりにし、燐の後ろに回った

残されたララは驚きで硬直していた

「おいっ!ララ!!」

「ララちゃん!?」

燐と廉造は声をそろえてララの名前を呼んだ

「あ、ごめ…」

ララは目線をずらして燐を見るが、一瞬にして視界は歪んだ

屍に、燐達の後ろのベットまで吹っ飛ばされたのだ

強い衝撃が背中に走り、頭が真っ白になった

「…うっ」

ララは小さく唸りながら木屑まみれの中から這い上がった

激痛の中、やっとのことで這い上がり、目を開くと

同時に屍は片方の頭を破裂させた

ベチャッとした感覚が頬に流れる

「うえぇ…最悪…ぅ」

そう呟きながらペッペッと唾を吐きながら体制を整えた

「ニーちゃん…ウナウナくんを出せる」

しえみが途端にそう使い魔に話しかけた

すると緑男の幼生は体の中から太い木を出した

メキメキメキと見る見るうちに部屋に広がり、枝は部屋中を覆った

それにより、動いていた屍はすぐにはこちらに近づいてこなくなった

「す…すげぇ…」

「ありがとね、ニーちゃん

「あ…ララちゃん、大丈夫なん?」

廉造が心配そうな顔でララを覗き込んだ

「嘘つき。守るって言ったのに」

ララは自分を置いていった廉造を睨みつけた

「うっ…堪忍し…」

廉造は突然、ふらふらと座って咳き込んでしまった

他の皆も調子が悪そうに咳き込んでいる

「え!?…皆どうした?」

「さっきはじけた屍の体液被ったせいだわ…あんた…平気なの…!?」

燐とララは悪魔のハーフということもあり、効かないらしく、なんともなかった

しえみのおかげでなんとかなったが、体力がつきたら使い魔の能力も起動しなくなる

そうなったら終わりだ
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