言葉でお題

□布を被って顔を隠している印象。
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銃声と、鋭い金属音が響き渡る。



「もう仕舞いか?」


「ざけんな…!!何処のどいつだか解らねえ奴に殺されてたまるか!!!」


「…」




私は先ほどから気になっていた。





XANXUSの瞳は、恐ろしい程美しい。

何故だろう。


宝石のルビーを埋め込んだようだ。

血の色、と言うより


憤怒の色。



裏切られた恨み。
屈辱。
敗北。




「…フ」





面白い。

私が人間に興味を持った事など、今までなかった。



「気が変わったぞ、人間」



「…あ??」







「お主に、しばらくの間ついていよう」





警戒は解かず。

嗚呼、人間不信とはこういうものか。


私は人間ではない。

だから、人間の愚行が信じられぬ。





人を疑うとは、恥だ。


人を騙すのも、恥だ。





人間は

どこまで恥をかけば



賢くなれるのだろう。





「…安心しろ、私は嘘を吐かぬ」


「それなら、名乗れ」


「仕方あるまい、名乗ってやろう」





私は、死神だ。


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