ハンプティ・ダンプティの囁き

□午後3時40分
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あなたは覚えているでしょうか。

あの暑い夏の日。


蝉の鳴く木の下で、青空を飛ぶ雀を見ながら言った言葉を。


「俺がおっきくなったら、絶対お前を迎えに来るかんな。待っとれよ。」


小さな私の手を握り、真剣に言ってくれた事を。


その言葉を信じて待って、どのくらいの年月が経ったでしょう。


誰にどんなに馬鹿にされても、それがただの気まぐれな子供の約束とは、思えなかったのです。
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