ハンプティ・ダンプティの囁き
□狐が笑う
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枕元で震える 青のランプは貴方色
点滅しては「早く出ろ」って言ってる
貴方の表情が 簡単に想像できる
余裕のあるその顔を 一度でいい 歪ませてみたい
築き上げてきた全てを壊してあげる
その狐の面がまた ほくそ笑むその前に
私の前に現れるなら きっとうまく化けてみせて
翻弄されてあげるから 騙してみせて
いつか私の手で剥ぎ取るその日までは
誰にも隙を見せないで
貴方のコップもお皿もこの写真も
いつでも割れるように並べてあるから
貴方がやってよ その長い尾ではたき落として
震え続けるそれを コップの水に静めたら
待つの 貴方が笑顔で この扉を叩く瞬間
最後の時を。