ハンプティ・ダンプティの囁き
□コオリ
1ページ/1ページ
コオリが溶けて 口の中を冷やす
その感覚が好きで いつも頬張っていたっけ
溶けて とけて トケテ
熱を奪って 小さくなってく
最後まで我慢できずに噛み砕いて
後からなぜか ほろりと淋しい
いつか消えてしまうのに
生きていくのはなぜだろう
限りがあると分かっていても 必死でもがいて モガイテ
光へと手を翳して
助けを求めるのに その手を払われて
また底まで滑り落ちていく
ソレハ、ダレ?
ソレハ、ワタシ。
今日もコオリを噛み砕いて
溶けた雫が 涙と共に滴り落ちる
儚いハカナイ物なのに 光を放つその姿
コオリのように冷たいままで 今日も私はいたいと願う
手をとって貰える その日までは。