ハンプティ・ダンプティの囁き
□沈黙
1ページ/1ページ
ホームに降り立つ貴方の背中
追うけれどもう 見えなくて
行き場もなく立ち竦む
私の影だけ夕日に映る
静かで 静かで
稲穂だけがさらさらと
案山子の横をすり抜けてすれ違う車もなく
私は歩いた
影が伸びて やがて暗闇に包まれても
やっぱり 静かで
月が私についてくるのか私が月についてゆくのか
それさえも分からない
カラスが鳴く
向こうに灯りが揺れている
あそこに行ったら何がいるんだろう
分からないまま 私は
歩き始めて。
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ