ハンプティ・ダンプティの囁き

□傘を差しかける腕
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傘を差しかけたあなたの腕が

崩れて灰になってゆく


私の指の間をすり抜けて


スリヌケテ



さらさらと流れゆく
もう掴めない


傘だけが落ちて
ころころと転がった

灰は風に飛ばされて
子供が手放した風船よりも高く


たかく たかく


舞い上がって 消え去る


傘を差しかけたあなたの腕を
力強く掴んだならば


あなたは崩れなかっただろうか


それとも





さらに脆く 壊れたのだろうか。

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