ハンプティ・ダンプティの囁き

□お茶の時間
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目の前の空席から珈琲の薫り

瓶に入った角砂糖
白いのと茶色いの


並んだカップは大と小
中身はストレートとミルク入り


合間にお洒落なクッキーはいかが?

中途半端に手のつけられた
崩れた山が 嘆いてる


お客は一人 ベルは鳴らない

新しく出したテーブルクロス


回る時計 飛び出す鳩

約束の時間 何時だっけ?


終わったレコード 三回目

もう飽きちゃった 何かけよう?


時計は回って

ぐるぐる回って


冷めた珈琲捨てちゃった

カップは洗っちゃったし

角砂糖もしまっちゃった

クッキーはもう無い



あなたが来たらどうしよう?
丸められたテーブルクロス




時は午後三時おやつの時間

用意は完璧だったけど



大事なものが 足りない午後。

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