ハンプティ・ダンプティの鼻歌
□王国
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君は捕らわれの身
城の中で眠る
白いベールと白い肌が
暗い牢に、よく映える。
君は捕らわれの身
死者たちの下卑た笑い。
冷え切った王国に、身も心も奪われて。
迷い込んだ地下の道
終わりもなく、灯りもなく、
冷たい石の壁が、
続いているだけで。
王国に踏み入る勇者はいない、
いばらの門は閉ざしたままで。
朽ち果てようとも朽ち果てられぬ、
静かに玉座は叫びを上げて。
君は捕らわれの身
今日も一人
闇の中を歩き続ける。
手探りで進む、靴の音だけ
崩れた王国に響き渡り、
冷たい城の後ろから
今日も昇らぬ陽が昇る。