コードギアス

□Love Making
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「ちょっと…どうすんのよこれ…」
 
「…どうしたものだろうな…」
 
その日、ルルーシュとカレンは暗くて狭い、そして寒い場所に閉じ込められていた。
その場所には名前があった。
『開かずの体育館倉庫』。
どんな設備でも充実しているアッシュフォード学園で、唯一扉の建てつけが悪く(しかも引き戸)、取っ手が付いている表からでも非常に開けづらい。
そんな場所に、あろうことか二人して閉じ込められてしまったのである。
力自慢のカレンが先ほどから奮闘するも、鉄の扉はびくともしない。
こんな真冬の最中に、かれこれ40分。
しかし一向に誰も訪れる気配はなかった。
 
 
 
 
≪Love Making≫
 
 
 
 
「なんでこんなことになったんだろ…」
 
「体育を見学して、片付けを押し付けられたからだろう?」
 
「知ってるわよ、んなこと!ってゆーかあんたはただのサボりでしょ?制服着てるし!」
 
「病弱なカレンさんは制服着て見学しててもいい、か。こんな強気な女とは露知らず…先生も馬鹿だな」
 
「うるさいわね…!ちょっと黙ってよ…」
 
「……………」
 
 
そう言うと本当にそれきりダンマリになってしまったルルーシュに、カレンは心底腹を立てた。
こういうときだからこそ、何か言っていてもらわないと、不安になってしまう。

(そりゃぁ、確かに、黙れって言ったけど…!)

複雑な乙女心を解せない、冷徹野郎だ、と思う。
カレンは60cm程離れた場所で腕組みをして跳び箱に寄りかかっているルルーシュを上目でにらんだ。ルルーシュはじっと彼のつま先を見つめるばかり。
カレンは溜息を吐いた。
座り込んでいる体操用のセーフティマット(キングサイズのベッドのようだ)がひんやりと尻を冷やし、…カレンは知らず震えた。
 
 
…実は、カレンには一つ、この状況をどーーーーしても打破しなくてはならない、ある秘密があったのだった。
 
 
 
 
 
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