コードギアス
□鬱懐 の 紅い 華
1ページ/8ページ
ねぇ、ルルーシュ。
私はね、貴方と一緒なら、どこへでも行けると思ってた。
事実、どこでも、どこまでもついて行く。
でも、それは少し、真実とは違っていたみたい。
私がそう思っているだけでは、駄目だったの。
貴方が私を望んで、初めて二人で一緒に、どこへでも行ける。
―…ねぇ、どうして?
どうして、私に生きろと言ったの?
どうして、私も一緒に連れて行ってくれなかったの?
『生きる』なんて、貴方がいなくちゃできない。
『死ぬ』時は、貴方のそばじゃなきゃ、嫌。
ねぇ、ひどいわ。
あんな言葉、『死ね』より残酷すぎる。
ねぇ、ルルーシュ、知ってる…?
『さよなら』がどんなに辛いか。
『愛する』のが、どんなに…どんなに、辛いか。
辛さが、私の愛の証。
貴方は知らない、私だけが持つ証。
貴方が、知ってくれないのなら、
―…もう、やめてもいいよね…?
≪鬱懐 の 紅い 華≫
『お前は優秀な駒だった』
何度も、何度も、カレンの頭の中に響く―…酷く優しい声。
あれからどれくらいの時が過ぎたというのか、まだ、耳から離れないあの声。
「……ちがう…」
カレンは自分でもびっくりするほどかすれた声で、無意識に声を漏らした。
―…ちがう。
耳から離れないのは、この言葉じゃない。
泣きたくなるのは、この言葉の所為じゃない。
こんな、優しい言葉じゃなくて、もっと、もっと……
『カレン、君は生きろ』
―…もっと、残酷な言葉。