コードギアス

□カレン と いっしょ !
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「カレン、バスタイムにするぞ」
 
ルルーシュは部屋に備え付けられたバスルームから、リビングにあたる部屋に居るカレンに声を掛けた。
…うん、今日もばっちりの湯加減だ。
 
カレンは読んでいた雑誌から顔をあげて、バスルームの方を振り向いて笑った。 

「は〜い。今行くわ。この特集読んでから…」
 
すると、予想通りの返事が返ってくる。 
 
「ダメだ、今すぐ来い。早くしないと湯が冷めるぞ」 
 
「そんなすぐに冷めないわよー」
  
「じゃあ一緒に入らないからな」
 
「へぇ、そう。私は別にいいけど」

「………………」 
 
ルルーシュは少し顔を引きつらせた後、足音を立てないように注意しながらカレンの背後に回り、いきなり後ろから彼女を抱きしめた。
カレンはさして驚いた様子もなく、雑誌を読み続ける。これもいつものこと。
 
「少しは驚いたらどうなんだ?」
 
「ルルーシュのやることにいちいち驚いてられないわよ。貴方って、バスタイムの前はいっつも甘え調子じゃない」
 
「甘える?俺が?はっ、ありえな―…」
 
遮られて、ルルーシュは少し目を見開く。
触れた柔らかな感触を、自らの唇に感じる。
ああ、お前の唇は、甘い媚薬のようだ。
軽く触れただけで、気が狂ってしまいそうになる。
…依存性も、かなり、強い。
 
 
 
「……なんか、お風呂の前のルルーシュって、子供っぽくて、可愛い」
 
「…男に可愛いとか言うな。モテないぞ」
 
互いの吐息が唇に触れるほどの距離で、誰に聞かれる訳でもないのに密やかな会話を交わす。
 
「ルルーシュだけでいいわよ」
 
「ああ、それがいいな。俺みたいな物好きは一人で充分だ」
 
「それどういう意味よ」
 
「…こういう意味」
 
ルルーシュはフッと笑うと、カレンの後頭部に手を添え、瑞々しい小さな唇に、深い口付けを落とした。
 
「…独り占めだ」
 
カレンは顔を真っ赤にさせて、ルルーシュを上目で睨む。
 
「あ、誘ってる?」
 
「何バカ言ってんのよ。…不意打ちなんて、ずるいわ」
 
ルルーシュはくすくす笑いながらカレンの頭をヨシヨシと撫でる。
大きな掌が、やけに大人っぽく思えて、カレンはなんだか悔しかった。
 
「さぁ、早く風呂に入ろう。本当に冷めてしまう」
 
そう言うと、ルルーシュは先立ってバスルームへと去った。
少し名残惜しいような感覚に襲われて、カレンはまた悔しくなる。
 
さっきは少しだけ、私の方が優位に立っていたはずなのに…ホント、丸め込むのが上手いんだから。
 
「…コドモのくせに」
 
カレンは笑いながらため息を吐くと、ソファから立ち上がり、バスルームへ急いだ。
 
 
 
 
 
 
 
≪カレン と いっしょ !≫ 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
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