コードギアス

□恋風 の 舞
2ページ/4ページ

「カレン〜どしたの?何で突っ立ってるの?ちゃんと楽しまなきゃ〜♪」
 
明るい声に振り向けば、ミレイが不思議そうに―カレンの顔を見るとかなりビックリした顔で立っていた。
 
「ちょ、カレン、ホントにどうしたの!?」
 
「え…あ、何でも、ないです」
 
「何でも無いわけないでしょ!そんなに泣いたら、せっかくのメイクが崩れちゃうわ!」
 
「え…泣いてなんか…」
 
カレンは自分の顔を手で撫でてみた。
指先を濡らしたものに、ビックリする。…泣いて、たんだ。
 
「…ちょっと、静かなところに行きましょうか」
 
ミレイが優しく微笑み、カレンの手をそっと引く。
カレンはされるがままになって、ホールからでてすぐにあるガーデンの白いベンチにミレイと一緒に腰掛けた。
楽しげな音楽やおしゃべりが、遠くなった気がした。
 
「…泣いている、訳を聞いてもいいかしら?」
 
「………………」
 
「ま、言いたくなかったらいいのよ。でも、我慢しないで、泣きたいときは泣いちゃいなさい。スッキリするから」
 
「…………っ…ぅっ…っ」
 
我慢していたのに、優しくされると溢れ出てしまう涙。
泣き顔まで可愛い後輩の頭を、ミレイは優しく撫でた。
 
「ルルーシュになんかされたのね…ま、アイツのことだから、貴方のことほっといて、大好きなナナちゃんのとこにでも行ったとかでしょ?」
 
「…そ、っんな…ところ、っです……でもっ、私が…可愛げない、ことっ…言っちゃっ…から…」
 
「…嫌われちゃった、って?」
 
「…………っ…う、……うわぁああん!!」
 
突然抱きついてきたカレンのせいで、ミレイは少しバランスを崩したものの、その豊満な胸にカレンを抱きとめた。
(ちっくしょ〜可愛いなぁ…勝ち目無いじゃない…)とため息混じりに微笑みながら、泣きじゃくるカレンの背を優しく撫でるミレイ。
だんだんとカレンの異変に気がつき始めた生徒達が、こちらを見ている。…ちょっとマズイかも。
 
「カレン…大丈夫?落ち着いた?」
 
「あ、ごっごめんなさい…私ったら、取り乱しちゃって…」
 
「ふふっいいのよ。生徒会のメンバーを慰めるのも、会長サマの仕事なのでアール!はっはっは」
 
「会長、ありがとう……ごめんなさい…」
 
「あら、なんで謝るの?」
 
「せっかく、こんなに素敵なドレスを作ってもらったのに、ちっとも役立てられなくて…」
 
「なーにぃ、そんなこと〜?それなら大丈夫よ。今からでもじゅーぶん役に立てられるわ」
 
「でも…」
 
「カレン…ほら、後ろ、見てみなさい」
 
「え、」
 
カレンが振り向くと、そこには―…
 
「カレン、迎えに来た」
 
ぎこちなく微笑むルルーシュが、片手を差し出していた。
 
 
 
 
 
 
  
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ