*under*

□氷菓子【彩雲国物語】
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するりと剥くように百合の衣が脱がされる。
首筋にゆっくりと、黎深の顔が埋められた。
くん、と匂いを嗅ぐと百合が少し身じろいだ。
熱のせいで普段より熱い百合のそこは、たっぷりとした髪と戯れ、肌が隠れている。
半ば引っ掻くように黎深の指先が動き、桃色の首筋が露になった。
そしてきつく吸い付いて、紅い華を散らす。
ひとつ、またひとつと痕を付ける度に、小さく百合が吐息を漏らした。
 
「んっ……黎深…」
 
「なんだ」
 
黎深はわざと耳に息が掛かるように、応えた。
 
「…やっ…もう…、あんま、焦らさないでね?」
 
「さぁな。私の気分だ」
 
ふっと息を漏らすように笑えば、百合がぴくりと震える。
それがなんだか、とても可笑しかった。
 
「…ああ、そうだ」
 
黎深は上半身を起こし、寝台のそばの台を見た。
その上には、氷菓子。
 
「せっかくだから、コレも使うか…」
 
「使うって…どうやって?」
 
百合が尋ねると、黎深は不敵な笑みを浮かべた。…なんだか、イヤな予感がする。
 
「こうやって、だ」

黎深は素早くソレを口に含み、次いで百合の胸の突起をも口に含んだ。
びくん、と百合の胸が跳ねた。
  
「わぁっ!?な、なにすんのっ」
 
百合は思わず黎深の頭に手をやった。が、力が入らない。
黎深は特に気にせず、左手で百合の右胸を揉み、左胸を口で弄んだ。

「ぁっ、ぁっ、んん…やめっ、てぇ…やだ、れ…しん、やだってば!…変に、なりそう…っんん」
 
自身の胸の突起と、氷菓子の半分溶けたのが黎深の口の中で執拗に混ぜ合わされて、理性がぶっ飛びそうだった。
というか、もうぶっ飛んでしまっていたのかもしれない。
なんせその間も、もう片方の突起も、黎深の指先によって捏ねられたり、つねられたり、引っ掻かれたりと理性ぶっ飛び要因が盛りだくさんだったからだ。
 
「やっ…やっやぁ、そこばっか、りぃ、やめっんん…ぁ、うぅっ―ぁああ!!」 
 
一際大きく喘いだ後、百合はくてん、と脱力した。
息は荒く、涙目だ。
 
「はぁ…はぁ…はぁ…な、なにすんだっ」
 
黎深は顔をあげると、ふん、と笑った。
 
「下も触っていないのに、もうイクとは…私ばかり奉仕させて、馬鹿か」

「うるさいなっ…私、胸弱いの知ってるでしょ!?あんな、こと…されたら…」
 
百合はますます顔を赤らめて、尻すぼみの言葉を発した。 
黎深はやれやれとでもいわんばかりに、ふっと息を吐き、こつん、と百合のおでこに自らのそれをくっつけた。
 
じっと、百合の潤んだ瞳を見つめる。と、百合がふふ、と微笑った。

「…なんだ」
 
「んー?…可愛いなぁと思って」 
 
「風邪のせいでますます馬鹿になったらしいな。可愛い?私が?何をふざけたことを…」
 
黎深はぶつぶつぼやきながらも、頬を赤らめていた。
百合は、そういう所が可愛いんだってば…と思いつつも、口には出さなかった。
その代わりに、ゆっくりと黎深の首に腕を回し、見つめ返した。―…熱く。 
 
「…ね、黎深…好きだよ。本当はね、…もっと前に、言いたかった」
 
「…イマサラだ。…その代わり、これから沢山、言えばいい」
 
百合は瞠目し、瞳を一層潤ませた。
 
「うん……うん…好き。黎深、大好き…」
 
ほんの刹那、黎深が、心からの微笑をその美顔に刻んだ。
 
ずっと見つめていたいほどの至高の微笑を、一瞬しか見なかったのは―…すぐに二人が、深い口付けを交わしたからであった。

 
 
 
  
 
 
 
  


 
 
  
 
 
 
 
  

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