★小説〜伯妖現代版〜★

□8〜想いを伝えたくて……(後編)〜
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少し熱めのシャワーの湯が体に流れるとほっとした。
そんなに体が冷えている感じは自分ではしなかったが、やはり少しは冷えていたのかもしれない。
しかしガラス張りのシャワー室は今は湯気で曇っているが、そうでなかったら誰かに見られているような気分になるので少し、恥ずかしかった。

「なん……て、考えすぎよね」

そんな自分の妄想から抜け出して、シャワー室を出るとまた別に浴槽もあった。
しかもお湯まで入っている。
そして浴槽のそばには、数種類のアロマオイルが置かれていた。
少し迷いながらも、その中の1つ、カモミールの香りの小瓶を手に取り、お湯に数滴たらす。
ゆっくりとかき混ぜると、ほんのりと匂いが広がってきた。

「今日は、長風呂になりそうだわ」

気分もリラックスしていき、リディアはそのまま夢の中へと眠りに落ちていった。




                     
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