★過去のお礼小説〜★
□〜“今回はレイヴンが主役”〜(ミニ小説)
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∞∞〜過去のお礼文〜∞∞
〜今回はレイヴンが主役〜(ミニ小説)
{2人の幸せが彼の願い?}
後は、外の見回りをすれば今日の彼の仕事は、一応終了ということだが。
「レイヴン、リディアの様子ちょっと、見てきてくれないか?」
どうやら、また仕事が増えてしまった。
「そういうことでしたら、ケリーさんの方が適任かと、思いますが……」
「ケリーに頼めないから、お前に頼んでいるんじゃないか」
この屋敷の主人のエドガーは、どうやら妻のリディアの機嫌を損ねることをまた、やらかしたらしい。
リディアの侍女のケリーは、リディアの味方だから屋敷の主人だろうが、なんだろうが彼女にしてみれば、関係ないらしい。
エドガーは書斎の机を人差し指で、トントンと、音を出しはじめた。
多分どうしようかと、考えているようだ。
もう寝る準備はとっくに出来ているはずなのに、リディアにどうやって謝ろうかと考えるために、ガウン姿のままここへ来たみたいだ。
すると、さっきまでの音がぴたりと、止んだ。
結論が出たみたいだ。
「分からないから、このまま寝室に行くよ」
結局、答えはいつもこうだ。
答えがいつも一緒ならどうして、いつもここへ来るのか不思議に思うが、エドガーがすることにレイヴンはあまり、口を出さない。
自分の役目は、エドガーを守ることだから。
「私は、外の見回りに行って参りますので」
「それが終わった今日はもう、あがっていいから」
「はい。それではおやすみなさいませ」
「ああ、おやすみ」
一礼してから廊下に出てしばらく歩いて行くと、後ろから声を掛けられた。
「あっ!レイヴン待って」
後ろを振り向くと、エドガーが悩ます相手が申し訳なさそうに、立っていた。
彼女もエドガーと同じく、ガウン姿のままだ。
「あの……ね、ケリーに聞こうと思ったんだけど、いつものことだから、ほっとけばいいって言われそうだから、レイヴンに聞く方がいいかなと、思って……」
「エドガー様なら、またいつもと同じことをされて謝ると思いますよ」
それを聞いてリディアの顔が、みるみる赤くなっていく。
「そ……そう、じゃあ……寝室に戻るわ。ありがとうレイヴン」
「おやすみなさいませ」
リディアに向かって、一礼をする。
これで2人は、仲直りをすりだろう。
レイヴンの仕事はこれでほぼ、終わったようなものだ。
彼は外の見回りをするために、玄関へと向かった。