★過去のお礼小説〜★

□〜“現代版伯妖”〜{ミニ小説}
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∞∞〜拍手お礼文〜∞∞
現代版伯妖(ミニ小説)
{真夏の海は恋の予感?パート1}                                                    
「ダブルデート!」
「そっ、ポールと2人っきりで海に行くのは、あたしもちょっと恥ずかしいからさ。それにポールだって、あたしと2人っきりだったら、絶対に来てくれないだろ」
「だったら、別の場所に変更すれば」

リディアがストローに口をつけようとした時、

「リディアは分かってないねー。告白するならやっぱ、海だよ。さあ、グズグズしてらんないよ」

そのまま手を引っ張られたので、紙コップを置いて、スターバックスを出てきた。





ロタに連れてこられた場所は、水着売り場だった。

「リディア、これどう?」

鏡の前でさっきから何回も水着と、にらめっこしているロタが、写っていた。

「リディアも早く、選びなよ」
「えっ?あたしも海に行くの?相手がいないわ」

リディアは、苦笑いをした。

「あたしが連れてくるからさ」
「でも……、あたしとじゃ会話がないかもしれないわ。相手の人が退屈するわ」
「それなら大丈夫、勝手に向こうが喋ってくれるから。ねっ、リディアも行こうよ」

ここまで頼まれたらお人好しのリディアは、断ることができない。
それになんていったって、親友のロタの頼みだ。

「う……ん、じゃあ、行こっかな……」
「そうこなくっちゃ、次、リディアの水着選ぼっか」

自分の水着が決まったロタは次から次へと、リディアの前に水着を持ってくる。
今度はリディアが、鏡の前で水着とにらめっこする番になっていた。
実はリディアは友達と、海へ行ったことがなかったから水着選びは結構、楽しめた。
今までの自分とは、違うんだから。
変わらなくっちゃ。
そう当日、あたしの相手の男の子だって、きっといい人かもしれない。
ロタが連れて来てくれる人なら。
きっと……。





「……で、あたしの相手って、この男……」
「違うよリディア!こいつじゃないよ。おい、ポール。アランはどうした?」

目の前にはポールが連れてきた人物が、にこやかな笑顔で立っていた。

「……実はさっき、携帯に掛かってきて、用事ができたから、ごめんって言われて……。代わりにエドガーが行ってくれるからって」

ポールは別に困っている様子もなく、さあ、行こうかと言って、さっさと歩きだす。

「あっ!ポール待てよ。おいっ!リディアに変なことするなよ」

捨てゼリフだけ言って、ポールを追いかける。
リディアも行こうとするとエドガーに、手を握られた。

「なっ……何するのよ」
「せっかくのデートなのに、一緒に行こうよ。しかし、現地集合って、気がきかないね。僕だったら女の子の家まで迎えに行くけどね。今日は急だったから、迎えに行けなくてごめんね」

エドガーは、リディアに微笑む。
さっきからすれ違う女の子はみな、エドガーの方をちらちらと見ている。
無駄のない体のつくりに、灰紫の瞳、金髪の髪は太陽の光を浴びるとより一層の輝きを放つ。
リディアも思わず、見入ってしまっていた。

「僕に少しは、興味が湧いてきた?」
リディアは、我に返る。

「なっ……、誰が、あんたみたいな女ったらしに興味が湧くものですか!」

握っていた手を、振りほどく。

「相変わらず、照れ屋だね。まあ今日はせっかく海に来たんだから、楽しもうよ」

ねっと、笑顔で言われたら、まるで自分にだけ向けられた感じになってしまう。
それにさっきから心臓が、騒がしい。
やだ、これってなんだかあたしがエドガーに恋してるみたいじゃないの。
これは、もしかして場所が海だから?
白い水着に、ボニーテールをしたリディアは彼の目にはどう、うつっているのだろうか?
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