10/11の日記

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ホンゴウさんとバギーさん
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*シャンバギとライホン&副ホン軸でのホンゴウさんとバギーさんの会話
すみません。ホンゴウさんにはまりました。途中で終わったのは長い文打つと動作が遅くなるのでここまでです。


「お前も大変だな。」

「そっちこそ。なんていうか、いつもお頭がすまねェな。」

「そう思うならなんとかしろッてんだ。」

「すまん、そりゃ無理だ。」

決まったところで商いをする店はほとんどなく、移動が軽やかな屋台の店が多いという、この島特有の文化だろう。ひとつひとつ個性溢れる屋台の雰囲気やいろいろな国の料理に、創作料理の味もいいし、店主も穏やかな気質の人が多いため、ついつい赤髪海賊団はログがたまっていても、この島に止まっていた。
みんなで騒がしくするのもいいが、たまには雰囲気よろしく、月明りのもとでひとりこっそり静かに酒に酔いしれるというのもいいもので。
ホンゴウはひとり、ぽつんと離れた場所で呑んでいた。
するりと屋台ののれんをくぐり、横に座った男の顔に見覚えがあった。
どうしたって目立つ赤鼻と青い髪は上に一つに束ねられて、男が動く度にゆらゆら揺れている。それについ酔った頭で、ぼんやり見ていれば、何見てるんだと啖呵を切られてしまった。
まぁそうだ、男に見られていいものではない。
ホンゴウは、苦笑して降参のポーズをとってすまないと謝った。
向こうはこちらのことなど知らないだろうが、こっちは一方的に知っていたからだ。

『道化のバギー』

シャンクスもといお頭が、泥酔したときにぽろりと零れるバギーという同じ見習い時代の同士。
最初聞いたときは誰だよバギーッてとよく突っ込んだものだが、慣れた今となってはその名前が出るたびにまたかと呆れるようになった。
それが、幸か不幸か、頂上決戦での際に思わぬ出会いとなったのである。
赤髪海賊団は元々、止まらぬであろう戦いを止めるためにあの地へ行ったのだ。
それがまさか二十年以上前に袂を別った、かつてのお頭の同期と出くわすなど何の因果か。
お頭は最初こそ、久しぶりという体で遠慮がちであった態度からの、相手が想像以上に変わらぬ形で突っかかってきたものだから、そこから箍(たが)が外れたらしく、戦争を止める言葉を投げ掛けて、一転、道化のバギーを船に乗せる気満々だと、あろうことか勧誘していたのである。
周りはおいおいと思ったが、いつもの事なのであまり突っ込まなかった。
それに対して、相手は物凄く反射的に拒絶の言葉を吐いていたが。
これがまだ戦いの真っ只中のことだから、なんとも気の抜ける話だ。
でも、ホンゴウは少し羨ましいと思った。
何年もの間、一度も会っていなかったらしい二人の会話にはなんの確執もないように感じた。それどころか、まるで昨日のことのように意気投合さえしだす二人は赤髪のシャンクスと道化のバギーという肩書きはなく、ただの海賊時代の同士なのだと周囲に認知させるほどだった。
嫌がる素振りをみせるバギーにシャンクスはこの場を脱するためだといって、上手いこと言いくるめて、暫しの間二つの船は同じ航路を泳いだのものである。

そんなことをしみじみと思い出していると

「お前、シャンクスのところのやつだろ。」

「え?!俺のこと覚えているのか?!」

ぱちくりと瞬きをして相手を凝視した。

「何言ってやがる。アイツが自己紹介してただろ!」

そうだ。お頭は嬉しそうに自慢の仲間だと言っていた。それに対して、道化は常に塩対応だったので。

「珍しいわな。いつもバカみてェに騒いでる連中はどうした?」

「まぁ、今日はなんだか一人で飲みたい気分なんだよ。」

「まぁ、そんな日もあらぁな。」

と、意外と騒がしくすることもなく、二人でちみちみと酒をのみながら、ここ最近の話から会話はあらぬ方向へと進み出す。

「わかる!オッサン相手に可愛いッて
なんだよ、」

タンと盃を置くホンゴウはだいぶ酔っていた。もともと酔っていた上に、意気投合してしまった結果でもある。

「シャンクスのやつも派手にイカれてやがるが、お前のとこの船員も船員だな。」

「俺もそこは思う。お前ら一度眼科いけってなる。」

「全くだ。」

どこもかしこも筋肉だし、髭も生やしている。

「けど、お前はそんないうほどでもねぇな。」

「あー…やめろやめろ!俺はあんまり髭生えねえんだよ。」

「ほーん。そんなもんか。」

「そ。だから、生えてもそこそこだし、見た目も悪いから剃ってるだけだ。」

「でも、お前はイケメンッて類いだろうが。」

「そうでもないぞ。そういう道化も化粧取れば。」

「…オッサン同士で何誉めあってんだ。」

「だな。やめだやめ。」

そこからは、ホンゴウは自身に詰め寄る男に愚痴を溢して、バギーもまたシャンクスに対しての愚痴をお互いに分かると肩を組み合った。

「いやぁ、まさかここまで話があうとは。」

「俺もだぜ。まさかシャンクスの仲間でここまで話の通じるやつがいるとはな。」

いつの間にか道化に絆されているホンゴウは、冷静な頭の部分で、すごい能力だと分析しだす。

「何やってんだ?」

肩に重さを感じてホンゴウはぎゃっと声にならない叫びをあげる。

「お、お頭…」

「あーあ、ホンゴウ。お前そんなに呑んで。」

呆れたとばかりにいってくる穏やかさに恐怖しか感じない。

「その、これは…」

「ん?大丈夫だ、ホンゴウ。お前がバギーに手を出さないってことはわかってるからさ。」

ただとぎらりとした目付きがこわい。

「俺の許可なくこんな時間まで呑むたぁ。」

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