長編
□序章、そして旅立ち…
3ページ/5ページ
と、その時…
戸口で コォン!! と何かがぶつかる音がした。驚き、思わず人々は話を止める。
「私が見てきます。」
ひなこがそっと戸口を開ける。
と………
「きゃあっ!!」
ひなこの悲鳴を聞き「どうした!?」と村人達も駆け寄った。
「く…黒羽の矢が…」
よく見ると、戸に黒い羽の矢に紙がくくりつけられたものが突き刺さっていた。かずえが勇気を出してそれを引き抜き、紙を開く…と、脅えたようにそれをとりおとした。
「…血…血で…」
紙を指差し、震えるかずえを藤兵衛が支えた。そして落ちた紙を明日夢が拾い、バッと開く。
「えっ、血文字!?」
そこには薄汚れた血文字で2、3文が書かれていた。
「『四ッノ国、集マリシ所、闇在リ。四国ニ行クベカラズ』…何だコレ!?」
紙を藤兵衛に見せる明日夢。
「こ、これは一体…どういう…」
…それが全ての始まりだった。
.