ショート
□特命部の珍客
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「あーっ!あんた!」
「ちょっ、何なんですか!?」
そんな叫び声がこだまする特命部のオペレーションルーム。2人のオペレーターのうちの1人、森下トオルは、突如詰め寄ってきた黄色い服の女に思わず数歩後退った。
「すまない森下、私が彼らを招き入れたんだ。」
そんな状況にも関わらず、司令官の黒木は至っていつも通り。むしろ、どちらかといえば"興味津々"といった様子で成り行きを見守っている。森下の無言の救難要請も、受け入れられそうになかった。
「あんた医者になりたいんじゃなかったの?」
「えっ?た、確かに医者を志した時期もありましたけど…」
「覚えてない?諸星学園で会わなかった?」
迫る人間に金髪が追加された。また数歩下がる。壁まであと何センチか。
「確かに僕は諸星学園高校のデジ研部に所属していました。でもあなた方に会った記憶はありません…!」
すっぱりと言い切ってみる。すると2人は諦めたようで、ようやく森下から離れた。部屋の片隅で事の成り行きを見守っていた仲村も、ほっと胸を撫で下ろす。とんだ珍客のお出ましだ。
彼らはここゴーバスターズが守る世界とは別の次元からやって来た。広大な宇宙を渡り、お宝を探しつつ時々悪いやつらを倒したり、自由気ままな旅人たち…海賊。彼らの世界における森下と彼らの間に面識があった為に、このような騒動に発展したようだ。
「ゴーバスターズに礼を言いに来た。用が済んだらとっとと帰るぜ。」
「礼?あぁ、君達の世界であの帽子の男を妨害したことかい?」
それなら礼には及ばない、とリュウジ。ヨーコもニッコリと笑う。
しかしあと1人は…
「留守中は鍵かけろって常識だろ?」
「あぁ?心配いらねぇよ鳥に留守番させてたんだからよ。」
「鳥?」
『鳥じゃないヨ!』
「…!」
鳥とはもちろんナビィのこと。しかしナビィはオウム型であり、ヒロムの苦手なニワトリとは異なるはずだが…
「わぁー!ヒロムがフリーズした!」
固まるヒロムに慌てて駆け寄るヨーコと、バディロイドのニック。どうやら、ニワトリと勘違いしたらしい。
そしてその状況を船長さんが放っておく訳がなく、フリーズが解けるまで面白半分につつき続けていた。
【おしまい】
(森下君の中の人がメガ回にいたので。設定は捏造で、一足早く共演させてみました(笑)急に終わってますが気にしない方向で(^^;)
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