長編
□序章、そして旅立ち…
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これは、戦国時代のお話です…
『アル日、四ツノ国・四国、戦ヒ在リテ沈黙スルナリ』
…四国が沈黙した…
一人の少年が砂浜を懸命に走っている。村に駆け込むと、一つの家を目指し、更に走った。
「ただいま!!」
「あーおかえり。」
走っていたのは村に住む少年で名は明日夢。そして明日夢を優しく向かえた老人は立花藤兵衛、村の長たる人物。
「あ、明日夢君。今帰ったの?」
そこへ藤兵衛の娘、かずえがやって来た。その後ろにはかずえの妹、ひなこも。
「何も見ませんでしたよ。」
と明日夢。この村は、かつて魔化魍・オロチをはじめとする徒党、“血狂魔党”に支配されていた。しかし、戦鬼らの手助けにより血狂魔党は全滅、村は解放されたのだ。それ以来、この村は“猛士の村”とも言われるようになっていた。猛士とは三年前の事件をきっかけに藤兵衛を中心に結成された鬼達のサポート集団で、今やその構成員はほぼ全国へと広がっていた。また、明日夢も構成員の一人として頑張っていた。時折、村外れの小屋に住む鬼、ヒビキのもとで修行しながら。
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