長編

□序章、そして旅立ち…
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しばらくすると、村人がぞろぞろと家に集まり始めた。猛士会議の始まりである。

「次は…四国ですね。」

村人の一人が言う。

「そうだな…あそこに近いのは…大坂か、備前か。」

藤兵衛がそう言うと、村人の一人が立ち上がり、言った。

「備前はダメですよ!先日断固拒否されたのを忘れたのですか?」

また一人も言う。

「あそこで鬼は大の嫌われ者なんですよ…。」

噂によればほぼ全国に鬼がいるが、備前には一人もいないと言う。平安時代ごろは鬼の本拠地だったらしいが、鬼をあやかし(妖怪)の類と考えた陰陽師達によって殲滅されてしまったそうだ。

「では…大坂からかな。」
「大坂ならニシキさんがいますし、ちょうどいいですね!」

今、彼等は四国の人々、もしくは鬼に猛士への協力を懇願しに行く方法を決めているところだ。

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