長編
□第二章、再会と運命
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「お前の所にも、コレが来たのか?」
トウキはびっくり。
「あぁ、村にだけど…お前のトコは?」
ヒビキもびっくり。
「本堂の柱に黒羽の矢にくくりつけられて刺さっていたんだ…。」
何と、“黒羽の矢にくくりつけられて”というところまで同じだったのだ。
「それで、藤兵衛さんに相談しようと思ってお前達の村に向かっていたところだったんだ。」
トウキはそう言って、また紙をしまった。
「俺達は今から何人か鬼を集めて四国に向かうつもりだ。」
とヒビキ。
「まさか…あえて行くというのか?」
「行ってみないと分からない。一大事かもしれないしね。」
ヒビキの言葉にしばらく考え込むトウキ。
「なぜか、今回は仏の声が聞こえなかった…。ただことではないとおもうが…私でよければ同行しよう。」
「ホントですか!?」
「力になるかどうかは分からんがな。できるだけのことはしよう。」
トウキが仲間になってくれると聞き、喜ぶ明日夢。ヒビキもほっとした。
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