長編

□第六章、最後の戦い
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―どこかの村…―



「おーい。そっち引っ張ってくれ〜。」

「あいよ〜。」


二人の漁師が、大きな網を引きずっている。しかし、そんな二人の目の前に、謎の影が現れた。


「う、うわあああ!!」


漁師たちは驚いて逃げようとするが、影の主の大足にあっけなく踏み潰されてしまう。

「ヒャハハハ!!所詮人間など弱き生き物。滅びて当然なのだ!!」

大魔化魍ディダラボッチの肩に座った野菊姫が、残忍な笑い声を上げている。しかし、“それ”に気づくと笑うのをやめ、肩から飛び降りた。

「来たか…。」


「やはりここにいたか口裂女!いいかげん人間の強さに負けを認めたらどうだ!」

ミナキを先頭に、鬼たちが一斉に駆けつけた。

「うわ、何だありゃ…。」

ヒビキはディダラボッチのあまりの巨大さに、思わずため息を漏らす。すかさずミナキが説明した。

「あれは、大魔化魍ディダラボッチ…。人型の魔化魍では最強の戦闘能力を誇る。だが、なんでこんなとこに…。あのやろ、何か吹き込みやがったな。」

ミナキの目線に気づいたか、野菊姫はかすかに口角を上げた。

「貴様らには関係のないことじゃ。余計な詮索はせぬ方が身のためぞ。」

そんな野菊姫に、ニシキらは腹を立てた。

「何かこいつムカつく!倒すでヒビキ!」

「言われるまでもないって。」

ヒビキの言葉に、鬼たちはすばやく変身した。

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