東方幻想狩り

□二次狩り
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永遠亭には沢山の兎が住んでいる。

それもただの兎ではなく、人の形を持つ妖怪兎。通称『因幡』。それゆえに食料はざっと100人前以上必要とされる。


つまりは――


「往復かよ!!」


一度人里に行き、買ってきた食料が入った袋を両手いっぱいに持った自戒が永琳に向かって言う。


「そうよ。メモを渡したでしょ」


確かに人里へ向かう前に、三人は永琳からメモを渡された。

しかし、メモの内容……つまりは食料の量を確認したのは人里についてからであった。

人里にて、三人は食料の量を書き間違えたという結論を出し、持てるだけの食料を買って永遠亭に帰ってきたのである。

いや……この場合、結論と言うより希望だったか……

実は三人共うすうすと感づいてはいた。出発前に永琳から受け取ったお金があまりにも多かったからである。


「……行ってきます」


自戒はそう言って袋を置き、永琳の研究室を出てトラとアキが待機している部屋へと向かう。


そして数十秒後、目的の部屋の近くまで来たとき、部屋の中からアキの声が聞こえてきた。

『トラ』を連呼するアキの声を聞き、自戒には最悪の可能性が浮かぶ。


自戒は覚悟をして障子を開く。
横たわったトラを揺さ振るアキ。
トラからは規則正しい寝息が聞こえてた。


「自戒! どうだった!!」


自戒の存在に気づいたアキは大声で希望の結果を聞く。

自戒は、何も答えられなかった。


「嘘……だろ……」


アキは自戒の姿を見て理解する。

買い出しという悪夢は、更に辛いものとなった。
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