東方幻想狩り

□二次狩り
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太陽が一番高く昇った今。

二度目の買い出しに来た自戒とアキは人里の定食屋で昼食をとっている。


「あぁ……腹いっぱいになっなら眠くなってきた」

「駄目だアキ、寝ちゃいけない」


すでに食べおわったアキを徹夜後の睡魔が襲っていた。


「大丈夫、一時間くらい仮眠をとるだけだから……」

「なんという寝過ごしたフラグww兎に角駄目だから」

「はぁ……いま妖怪に襲われたら勝てる気がしない……」

「なんという遭遇フラグww」


これ以上ここに居ちゃ駄目だ。と思った自戒は店主にお代を渡し、寝ようするアキを店の外へ連れて行く。


「アキ……一つ賭けをしないか?」

「……賭け?」

「ああ、負けた方が何でも言う事を一つ聞くんだ。勝負はどちらが速く買い出しを済ませるかどうかだ」


定食屋の外で自戒はそう言うと、トラのメモを取出して半分に破った。


「……どうだ?」


そして、アキへ半分になったメモを二つ差し出す。


「……いいぜ、受けて立つ!」


アキは少し考えたあと、そのメモの片方を奪い取り走りだした。


「お、おい」

「勝負はもらったぜ」

「《待て》、アキ」

「うおっ!?」


アキはピタリとその場で立ち止まる。
自戒はゆっくりと、立ち止まったアキへと近づいて行く。


「げっ……能力か」

「その通り、『言霊を操る程度の能力』だ。それより――」

「ご、ごめんなさい……」

「まだ金を渡してないんだが」

「……はっ!?」


アキの顔から火が出ていた……ではなく顔から火が出るくらい顔を赤くしていた。


その後アキは金を受け取り、人里にて自戒とアキの買い出し競争は始まった。
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