東方幻想狩り
□運営
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〜運営本部〜
全てにおいて質素な感じの部屋であり、出入口が一つしかない大きな休憩室のような場所だ。
あるのは少しの観葉植物とテーブルや椅子、ソファー等。他には小さな台所と絶え間なく文字が流れ続けるディスプレイが幾つかあるだけである。
カーテンの奥の窓から見えるのはただ真っ白な光景であった。
「は〜あ、な〜んで俺たちはまだ待機なんだよ」
ソファーで寝転がっている筋肉質の男がだるそうに呟く。
「アイツは『機は熟していない』とか言ってるわりには動いてるし……そう思うだろ、藤岡」
「俺は藤岡じゃない、『藤宮 樹<フジミヤ イツキ>』だ。あと、忙しいから話しかけるな」
筋肉質の男の言葉に対し、眼鏡をかけた男が迷惑そうな声で答える。
「なんだよ、無愛想な奴だな」
「俺から言わせてもらえば、お前は騒がしい奴だよ『須藤 雄作<スドウユウサク>』」
「あぁ?」
「こらこら、喧嘩は余所でしてなさい二人共」
一触即発の雰囲気になった雄作と樹に女性が口を挟む。
「うっせえよ、女は黙ってろ」
雄作は吐き捨てるように言い返す。
「私はの名前は『三枝 茜<サエグサ アカネ>』よ。それに、マスターのことをアイツとか言っちゃダメじゃない」
それに対し、茜は冷静に話しをする。
「ふん、別に……ん?」
「どうしたの?」
「アイツの名前ってなんだっけ?」
「『後藤 巽<ゴトウ タツミ>』よ。そのくらい覚えておきなさい」
「……ふん」
雄作はソファーから降りて立ち上がり、玄関の方へ歩いて行く。
「おい、どこに行く」
樹は雄作に背を向けた状態で言い放つ。
「散歩だよ、さ・ん・ぽ」
この部屋の唯一の扉を開き、その外に消えて行った。