ぜろ部屋
□小ネタ集
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【運命まとめWiki】
【運命零/時系列まとめ】
「……」
親切な『住民』に提供されたページにマウスを移動してクリック。
表示された文字の羅列にひととおり目を通し、スレの人々に礼の言葉を打ち込んでから澪は頭を抱えた。
「どうしようかなぁ……」
Fate/Zeroねた.ver世界の敵2
飴細工、マジパン、金平糖にビーズのような砂糖の粒。
精緻な細工やクリームで丁寧に飾られたケーキやパイがまるで花畑のようだ。
最近流行りのスィーツパラダイス。
デブは一食抜くと死ぬ、と豪語する『彼』のために選択したのがここだった。
奮発して某ホテルのそれを選択した澪は、テーブルに所狭しと並ぶケーキを着々とクリアしていく『少佐』を前にぼんやりと黙考していた。
澪が少佐――英霊を招請することになったのは、いくつかの偶然が組み合わさってできた冗談のようなものである。
学友であるウェイバーがケイネス教諭の聖遺物をチョッパー☆して意気揚々と聖杯戦争の行われる冬木市に出奔したのが、おそらくは発端だろう。
彼のしたことは英断だとは思うけれど迂闊とも言えた。なぜなら、ウェイバーはケイネスが次の聖遺物を用意する可能性を考慮に入れなかったのだ。
その危惧を真っ先に考えた澪はケイネスの調達した聖遺物を奪取、ないしは破壊しようと目論見――そして失敗した。
身の危険を覚えた澪は早々に休学届を叩きつけ冬木市へと避難――そこで暴漢に襲われた。
年若い青年だが、瞳に宿る狂気だけは一級品。彼を叩きのめした瞬間こそが、最後の分水嶺だったのだと今なら分かる。
澪のもとに令呪が顕現したのは、まさにその直後だったのだから。
「あ、これ美味しい。ボクも次はこれにしよっと」
ひょいぱく、とプチタルトを口に放り込んだ少年が口の端についたクリームをぺろりと舐める。
金糸のような髪に緋色の瞳、髪の隙間から覗く獣耳は偽物ではない。ひくひくと動く。
「こらこら、シュレディンガー准将。レディのお菓子を横取りするものではないよ」
「はぁーい」
彼は少佐の『宝具』である『最後の大隊』のいちぶである――らしい。
あどけない表情だけど時折何かを悟ったような言葉を発したり、醸し出す雰囲気が妙だったりする辺り侮れない少年である。
聖杯戦争についてはウェイバーに触りだけは聞いていたので、令呪が宿ったことの意味はすぐに分かった。
それならばと澪は英霊招喚の道を選んだのだが、そこで困った問題が発生した。
当然のことだが、英霊招喚のために必要なプロセス――魔法陣や呪文の類を澪は知らなかったのだ。悩んだ澪は、文明の利器であるパソコンに知識を求めた。
幸い、魔法陣その他の知識はすぐに仕入れることができたのだが、ここで更に余計なおまけがついてきてしまった。
それは、この聖杯戦争で起こる全ての顛末と悲劇である。
どうやら澪が『転生』したこの世界はいわゆる版権ものというやつで、誰かの作った物語であるらしい。
それに照らし合わせて考えると、不意なアクシデントで令呪を宿してしまった自分は異物であり、その原作とやらをねじ曲げてしまった大罪人と言える。
まぁ、それを言うと自分が知識を求めた場所で屯している『住民たち』も澪と同じように異物であると言えるのだが、澪ほど積極的に関わっているわけではなさそうなのでそれは棚上げだ。
その事実や、今後のことを考えるだけで胃が痛む。要するに悩みすぎて進退窮まってしまったのだ。
「澪ちゃんどったの?何か悩んでるなら言ってみなって!」
澪の空になった紅茶のおかわりなんかを注ぎながらにこにこしている茶髪の青年も、胃が痛む原因のひとつである。
雨生龍之介――冬木市民の肝胆を寒からしめた連続殺人鬼。
夜道で襲撃してきた彼を、澪は返り討ちにした。手加減する暇もないほど本気の殺意だったので仕方がない。
条件反射で彼の持っていたナイフを奪い取り、急所を外して腹辺りにぶっ刺してしまったのだが、そこからが奇妙だった。
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