Tales of vesperia
□間章
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12の時、両親が死んだ。
私のせいで死んだ。
両親の返り血で染まった視界に映ったのは、真っ赤に染まった空だった。
その時から、空が赤く染まる朝日と夕日が苦手になった。
21の時、騎士団の仲間が死んだ。
まだ、仲間と呼べる間柄ではなかったのかもしれない。それでも、大切にできたらいいと思っていた。
騎士団の仲間は私のせいで死んだ。
悲しくて悲しくて自分が分からなくなった。
そして、エルシフルさんを殺した。
誰も失いたくないと思ったのに、自分で自分の大切な者たちを死なせてしまっている。
私という存在がいるからなのだろうか?
否、私が甘えてしまうから、私に降りかかる禍に、私の持つ業に、巻き込んでしまう。そのせいで、大切な人が死んでいく。
それを知ってから、私は人に甘えることが自ら禁じた。
例え、私が苦しむ結果になるとしても、私が一番苦しまない、大切な人たちが死なない道を選ぶ。
だって、苦しいと、怖いと、寂しいと助けを求めることは私にとって私が一番苦しむ結果になるから。
ああ、なんて弱いのだろう。
もっと強ければ、こんな風に苦しまずに済むのに。
声を上げて泣くことができたならいいのに
(泣く方法すら忘れてしまったのか、涙すらこぼれない)
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