短編
□闇
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百年間 暗く冷たい闇の中に閉じ込められていた
指一本動かすこともかなわない牢獄
ずっとずっとずっとその中で泣いていた
否、まぶたの下から涙が落ちることはなかった
けど、眠ることも起きることもできない混沌とした意識の中でずっと泣いていた
そして、恐れていた
心の底から囁いてくる黒神の『声』が自分を飲み込もうとしていた
哀しい 怖い 苦しい
ああ、嫌だ こんな感情(モノ)を持つのは
いっそ全部狂ってしまえばいいのに──────
アア、ソウダ ゼンブコワシテシマオウ
自分に大切なものなど何一つない
生きるためならなんだってできる
壊すことで、自分は救われる
愛情を知らず、子供になれなかった子供は、鬼という闇に堕ちていくだけ
“I wish I had been shine.”
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