しょうせつ

□やはらかな、
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【やはらかな、】

大きな、真っ白なシーツを引いたベットの上。
止めどもなくキスの雨を額と言わず、頬と言わず、ペタという名前を持つ生きもののあちこちに降り注がせ、なめらかな金の髪を優しく撫でていると、不意にその人はうふふ、と笑った。

「どうしたの?くすぐったい?」

押し倒し、可愛がっている手は止めないままにファントムは首を傾げて問う。
ファントムの下でされるがままのペタは、問いかけに首を横に振り、

「今日は優しいのですね」

と微笑む。

「今日は…って、いつも僕がひどいみたいじゃないか」

ファントムは少し反論するように、でも唇はペタの首筋に柔らかく押し当てたまま口にして、ペタのことをさらに微笑ませた。

「ひどいでしょう焦らしたり、散々なぶったり」
「優しいつもりだけれど」
「御冗談を」
「僕は嘘を言った覚えはないなぁ」
「そのお言葉が既に嘘です」
「…君こそひどいね」
「うふふ、貴方程ではありませんけれど」

甘えた盛りの猫のようにペタはファントムの頬に自分の頬をすり寄せた。








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