しょうせつ

□這わせる舌、跪く脚
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履き慣れた靴を脱ぎ、おもむろに裸の爪先を差し出せば、僕の前に跪いた従順な部下は何の躊躇いもなくそれを口に含む。

「ふふ、くすぐったいよ」
王座に悠々と腰掛けながら、思わず足先を震わせる。

普段、他人に触れさせる事のない部分に自分以外の何かを感じるというのは、想像以上にこそゆばいのだ。

その所為で僕は何度も爪先をしならせてしまい、舐めにくい事極まりない状況。

それでも構わないのかペタは尚、足指を吸う動きを止める素振りを見せない。

僕が少しばかり調子に乗って、わざと足の位置をずらしたとしても、ペタはまるで愚鈍な犬のように爪先を追いかけては指先にしゃぶりつく。
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