しょうせつ
□柘榴の肉体
1ページ/6ページ
初めて食べた柘榴の実は
果物だというのにも関わらず
くすんだ、渋く鈍い色の表皮に包まれ
ようやく現れた果実は
甘くもなく、また
苦くもない
ただ水分に僅かな酸味を垂らしたような
ひどく曖昧な味をしていた。
だから僕は君から柘榴の話を聞いたとき、眉を寄せたのだ。
【柘榴の肉体】
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ