しょうせつ

□sweet
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仕事の気休めにと、執務机の隅に置いたチョコレートの缶に、ペタは手を伸ばす。

甘いものは好きだ。

特にチョコレート。

砂糖の甘さに加えて、咥内で溶ける柔らかさが疲れた舌に嬉しい。


「ペタってさあ、意外に甘いもの好きだよね」

口いっぱいに広がる甘さにほう、と溜め息をつくと、隣でペタの仕事を眺めていたファントムが呟いた。

「チョコだってビターじゃなくてミルク味だし」

「甘い方が好きなのですよ。…悪いですか」

「いや、悪くなんてないけれど」

じっとりとした目で言うペタに、ファントムは面白そうに言った。

含みを残す口調は、チョコレートを食べる自分をからかわれている様で、少々むかりとする。

「貴方だって好きではありませんか」

これ。とペタは再度チョコレート缶に手を突っ込み、粒状のそれを口の中に放り込む。

ああ、なんて甘い。





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