しょうせつ
□Affection For Pain
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君から滴る
赤い赤い 蜜
舌に絡める
それは
紛れもない 至福の
[Affection For Pain]
薄闇の中でぼう、と浮き上がって見える白い肌は銀のナイフの切っ先を拒む事を知らない。
僕はそれを良い事に、ペタのその手首にナイフで切れ目を入れた。
「…っああ!」
痛みに、或いは痛みの中に見つけた快楽に喘ぐペタ。
「イイかい、ペタ…?」
「ああっ…は、い…っ」
躰の敏感な部分に触れられた訳でもないのに、ペタはとろん、と恍惚の表情を浮かべている。
ひどく淫らな癖をして美しいその顔に、僕も興奮を隠せない。
「…淫乱」
囁きを溢れさせば
「ゃぁあん……!!」
媚びるような、常のペタからは考えもつかない嬌声。
さながら、発情期の雌猫のそれに似た。
たまらなくなって、僕は更にペタへ傷をつける。
今度は、甘い声をあげる…喉。
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