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□だって君だから
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そりゃあ、俺だって人間だし。不安とか当然感じるわけで。俺の場合、普段自由奔放我儘放題だから(一応自覚はあったりする)。余計色々悩むというか、まあ、要するにだ。
お前は本当に俺を好きなのか?
ジャッカルに赤也のお守りを頼む真田が嫌いだ。
何だかんだ言って一番の常識人であるジャッカルを頼る幸村が嫌いだ。
遠くでテニスの話をしてジャッカルと笑う柳生が嫌いだ。
ジャッカルの変装をして彼を演じる仁王が嫌いだ。
ジャッカルに唯一テニスの悩みを相談される柳が嫌いだ。
いつもジャッカルと群れている赤也が嫌いだ。
(本当はみんな大好きだけど、みんな嫌いだ)
頼む、頼むから俺を不安にさせないで。
これ以上俺の知らないお前を作らないで。
なぁ、ジャッカル。
お前は本当に俺を好きなのか?
「ブン太、ブン太」
「ん?」
「耳貸してくれ」
「あ?何?」
「すぐ終わるから」
(かぷっ)
「いてっ!いきなり噛むなよ、何すんのジャッカル」
「最近ブン太不足だったからチャージ!」
「意味不明」
「腹が減っては戦はできぬってやつだ!」
「何でそんな文句知ってんのに苦手教科国語なわけ?っつーか今ので充電終わったのかよ」
「いや?ブン太は甘いから運動後のデザートにとっとこーかなって」
「なあ、」
「んー?」
「俺のこと好き?」
「んー‥‥いや、」
「え、うそ。マジ?」
「マジ。好きじゃないけど、愛してるよ、お前のこと」
「な、おまっ!」
「ほら、部活部活!」
何だ、俺ってば案外愛されてんのかもしれない。単純で悪かったな、でもそっちの方が分かりやすくて俺たちには丁度良いみたいだ。
end