□飼い犬に手を噛まれる
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「え、?あ、おいバカ!ジャッカル!やめっ、あ、あ!」





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部活後、あまりの疲れから生存本能に逆らえず、欲望が溢れだしたのがつい先程だ。鍵当番が俺かジャッカルに回って来たとき、部室でこういったことをするのは珍しいことではなかった。大体は俺がジャッカルに「抜いけ」と命令して、最初は渋るジャッカルも結局乗り気になって。特に気分が良い日は互いに口なんかも使ったりするが、ほとんどは右手で発射して終了だ。随分とあっさりした性交(と、呼べないほどの拙い触れ合い)だったが俺は満足していたし、何よりも途中で交わす甘ったるい口付けが好きだった。
今日もそうして口吸いをしながら熱に溺れる。普段と何も変わらない、ただ1つ違ったのは立ったまま抱き合っているということだ。常ならば2人して床に座り込んでいるのだが、成り行きで今回は立ったまま。そうであってもこれといった不自由もなく、前を擦られて揺れる腰はジャッカルの左手でがっちり支えられている。絶頂が近付くにつれ、息は荒くなって身体の震えは増す。俺は痺れさえ感じる指先で、必死にジャッカルのユニフォームにすがった。容赦なく上下運動する右手に全神経を持っていかれる。あ、出そう。そう思った瞬間、臀部に違和感を感じた。それがジャッカルの左の手のひらだと分かったときには、とうに手遅れだった。
汗なのか何なのか、ぬるりとぬめった中指は、さしたる抵抗もなく根元まで飲みこまれる。自分の身体でありながら、ガード緩過ぎだろとか思ったが、そんなことより。骨張った指が、粘膜を容赦なく擦りながらゆるゆると動かされる。

「あッ、は!待っ、んんっ」
「痛くないか?」

痛くは、ないけど。
声が我慢出来ない。敏感な内部を刺激する指に思考が全てかっ攫われてしまって、普段穏便で冷静なジャッカルが俺の耳元ではぁはぁ言ってることとか、あまつさえ排泄器官であるはずのそこで感じるこの俺の浅ましさとか、そんなもの達が次々に連鎖して興奮のレベルはとっくに許容範囲を超えていた。

「あ、あ!こわっ、怖いジャッカル、怖いっ」
「平気だから、ゆっくり息して力抜け」

ジャッカルの指が中に、と、そう思うだけで頭の中が空っぽになってしまうくらい感じるのに。いつの間にかジャッカルの唇は俺の首筋に落ちていて、熱い舌が鎖骨から耳たぶまでをなぞっていく。前に触れたままの右手は絶えず擦っていて、もうすぐにでも俺はぶっ飛んでしまいそうだった。











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